過労運転は免許取り消しになる!休みをくれない会社側は罪に問われるのか?

あおり運転行為が問題になることが多い中、警察はあおり運転を免許取り消しの対象にすることを決めました。

 

免許取り消しは過去3年間に積み重なった減点によって執り行われますが、違反すると一発取り消しになる酒酔いや過労運転などと同じ扱いにするということですね。

 

ところで、『過労運転』は免許一発取り消しになってしまうことをご存知でしたか?

 

私は、このあおり運転に関する道交法改正のニュースを見て初めて知ったのですが、『過労運転』と認定される条件とは一体どのようなものなのでしょうか?

 

また、長距離ドライバー等は会社がブラックで仕方なく過労運転をしている場合もあると思われますが、その場合罪に問われるのはドライバーだけなのでしょうか?

 

調べてみました。

 

過労運転の定義とは

過労運転は道路交通法第66条第一項において、

 

『何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。』

 

と定められています。

 

※前条第一項の規定とは酒気帯び運転禁止のことです。

 

過労運転って、字面だけで見るとなんとも曖昧ですよね。

疲れている時に運転したら、なんでも過労運転になってしまうのかと言うと、そんなことはありません。

 

過労運転と認定されるには、明確な基準があります。

 

過労運転の認定基準

  • 4時間以上の連続運転をしない
  • 2日間の平均運転時間は1日9時間以内(2日連続で9時間を超える運転は不可)
  • 1週間の運転時間が44時間以内(二週間の平均として)
  • 勤務後は最低8時間の休みを取る
  • 1日の拘束時間は13時間以内(残業しても16時間以内)
  • 1ヶ月の拘束時間が293時間以内(1日平均にすると9時間強)

 

…これらの条件のいずれか1つでも違反すると、過労運転と認定されます。

たとえ健康状態が良好でも処罰の対象になり、違反点が25点で一発で免許取消になります。

 

3年以下の懲役、または50万以下の罰金という罰則もあります。

 

実際には、事故を起こす等しなければ露見しないことが多いと思いますが、ひとたび交通事故を起こせば運転時間等は調査され違反を摘発される可能性が高いです。

 

※事故を起こす前に判明し、処罰の対象となった例もあります。

 

その他、運転以外の長時間勤務(会社員や大学病院医師等)での過労が原因でマイカー通勤時に事故を起こした場合なども、過労運転の範囲に含まれます。

過労運転でドライバーが自己を起こした場合、会社は罪に問われる?

ここで気になるのが、『悪いのは過労運転をしたドライバー(運転手)だけなの?』というところです。

数年前に起きた高速バスでの痛ましい事故を思い返すと、バスの運転手は会社から無理のあるスケジュールを強いられており、的確な判断を下せない状況だったという事例もあります。

 

これについては、道路交通法76条で、

 

『使用者や運行管理者などの自動車の運行を直接管理する地位にある者は運転者に対して、次に掲げる違反行為を下命・容認してはならない』

 

と定められていて、違反行為の中には過労運転も含まれています。

 

つまり、過労運転を下命・容認した場合、企業側も責任を問われるのです。

具体的には、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という罰が下されます。

 

つまりは過労運転を命じた側も、過労運転をしたドライバーと同等の罰則(免取以外)を科されるということですね。

 

過去には実際に起訴された事例や、死亡事故の被害者の両親による企業側への損害賠償請求が通り、約二千万円の支払いが命じられた例もあります。

 

個人的には、ドライバーよりもそれを下命・容認した企業側はより罪が重くなってしかるべきと思いますが…

 

雇われている側としては、クビになってしまえば収入が得られないいわば弱みを握られているような状態ですし、過労の状態でも従ってしまう(判断能力も鈍りますし…)気持ちは分からなくないです。

 

でも、例えば死亡事故等起こしてしまえば人の命にかかわることですし、自分の人生も大きく左右されてしまうことです。

会社から下される無理な過労運転の命令を断るには、どうしたらいいでしょうか?

過労運転をしない為にはどうしたらいい?

過労運転をしないようにするためには、会社に相談するのがまず最初のステップでしょうけれども、相談してすぐ改善してくれるようならそもそも過労運転の状態には至らない…と思いますよね。

 

そんな時次のステップは、運輸労連に相談することです。

それでも改善しない場合は弁護士に相談するなどの方法がありますが、そこまでするとなると会社との関係悪化が懸念されます。

 

しかし、過労運転をそのままにしておくことは人の命に係わる問題です。

労働環境の悪いドライバーや、長時間労働をしていて車の運転をする機会のある方には、今の自分にとって何が一番すべきことか、見極めて行動して欲しいと思います。